6.住んでみたい街を歩いてみよう
ある住宅情報雑誌が平成14年に実施したアンケート調査によると、「もっと詳しく掲載してほしい情報」として「周辺環境」が1位にランクインしていました。ところが、各媒体の不動産情報を実際に見てみると、「建物」や「設備」に関する情報は溢れていても、「立地」や「環境」に関する情報は圧倒的に不足しています。前ページでも触れましたが、一見すると単なる情報の告知に見えるものであっても、実際は「広告」であり、「広告」であるからには売主に有利な情報を強調し、不利になる情報はあえて掲載しない場合もあり得ることを知っておくべきです。
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当該物件に影響のある環境については、契約前に説明する義務がありますが、「広告段階でどこまで掲載すべきか」は売主の判断に任されています。
不動産は、まさに「不動」の土地に定着しているものです。建物は将来的に変更できても、環境(立地)は自分ひとりでは変えられない、というのが実際のところです。また、同じ環境であっても人それぞれ感じ方も考え方も異なります。それだけに、時間と労力がかかりますが、やはり自分の足で歩き、目で見て「感覚」を確認することがとても大切です。昼と夜、平日と休日など、異なるシチュエーションで何度か訪れてみて、自分自身の肌で感じて納得することが必要なのです。
7.モデルルームや不動産会社へ行って、具体的な物件を見学する
さて、気になる物件が絞られてきたら、次はモデルルームや建設現場へ足を運ぶことになります。「不動産会社の営業マンはちょっと怖い」という印象があるのか、モデルルームや販売センターを訪れても名前も名のらず、資料だけをもらおうとする人を時々見かけます。しかし、不動産にはそれぞれ固有の状況があり、また、自分に合った資金計画を立てながら冷静に判断していくためにも、やはり不動産のプロである営業担当者のアドバイスをきちんと受ける必要があるでしょう。まずは自分のニーズをはっきり伝え、アドバイスには素直に耳を傾けるようにしましょう。
また、モデルルームや建設現場を見慣れていない人が見学しても、なかなか実際の建物を想像できない場合があります。たとえば新築マンションの場合、モデルルームのタイプと実際に検討するタイプは異なることが多く、実際の広さや生活動線は図面でしか確認できませんし、オプションやセレクトによって内装のイメージや設備までもが全く変わってしまうこともよくあります。また、一戸建ての分譲地を見学する場合なども、隣地にどのような建物が建つのか、2階に上がったときの見晴らしはどうかなど、確認することは難しく、想像する以外には手がありません。
一方、中古物件を検討する場合でも、現在入居している家庭の家具配置やインテリアなどのイメージが頭に入ってしまって、どういう形でリフォームしたら自分らしく暮らせるか、といった想像が難しい場合もあるでしょう。
いずれの場合も、不動産会社の担当者は同じようなケースを何度も見てきており、素人である私たちよりは経験が豊富なわけです。ですから、納得するまで質問し、現実の物件の姿をしっかり想像した上で判断する材料としましょう。
8.自分のイメージと現実との「差」を確認したうえで、
あらためて物件選びの優先順位を整理しよう
さて、物件見学を進めていく段階で、新たな課題が出てくることになるでしょう。「物件は気に入ったものの、予算的に合わない」「予算的には合うが、広さが足りない」「立地は申し分ないが、デザインが好みでない」などです。予算が無限大でない限り、すべての条件が揃った物件はめったに現れないからです。そこでもう一度、前段の1・2・3で整理した「自分自身のライフスタイルのイメージ」に立ち戻って、各項目の優先順位を付けてみるようにしましょう。
住まいの購入目的は、「自分らしく、心豊かな生活が送れるかどうか」です。
「一般論としての資産価値」や「家賃の更新の時期に合わないなどの目先の損得勘定」「手持ちの家具が入らないなどの詳細項目」に振り回されるのはナンセンスです。また、この段階になって、上司や友人、親戚などにいろいろと相談をはじめて、かえって混乱される方もよくいらっしゃいます。しかし、現実には「一般論として絶対的に良い不動産」というものは存在しませんので、価値観やライフスタイルが異なる周囲の人間に意見を求めても、その意見があなたにとって意味のある内容であるとは限りません。
「自分自身のライフスタイル実現のステージとしてふさわしいかどうか」という基準を持ち、「心豊かな暮らしができるか」という本当の目的を再認識して、そのための優先順位を整理・解決されていくことをお勧めします。