住宅金融公庫と銀行から、それぞれ住宅ローンを借りることはよくあります。こうした場合に、住宅ローン控除はどうなるのか考えてみましょう。
■基本的な考え方
住宅ローンの“1本1本”が、ローン控除の適用条件に当てはまっているかを確認します。融資期間が10年以上で、社内融資では1%以上の金利となっている・・・か、おのおのの住宅ローンが控除の条件にあてはまらないと、両方とも控除を受けることはできません。
■年末残高の計算方法
それぞれの住宅ローンに対して毎年11月頃になると、金融機関から残高証明書が郵送されてきます。この証明書に年末時点でのローン残高が記載されていますので、例えば公庫と銀行を利用していたら、公庫の年末残高と銀行ローンの年末残高を合計した残高が、ローン控除の対象となる年末残高となります。
■繰り上げ返済をしたら・・・
基本的な考え方は、あくまで1本1本の住宅ローンが控除の適用条件から外れていないかを見ます。例えば公庫と銀行の2本の融資を受けている場合、銀行ローンを集中して繰り上げ返済(期間短縮型)して融資期間が10年未満となってしまうと、銀行ローンは控除の条件に合致しませんので、ローン控除は受けられません。
一方、公庫は当初の返済計画どおりで何の条件変更もありませんので、ローン控除の条件に適合したままです。従って、ローン控除は引き続き受けることができます。
2本の住宅ローンを組んでおり、仮に、繰り上げ返済などで1本だけが控除の条件から外れ、還付が受けられなくなると、もう1本の住宅ローンも同時に控除が受けられなくなると思っている人がいるかも知れませんが、そうした心配は無用です。
3本のローンを組んでいても「基本的な考え方は、あくまで1本1本の住宅ローンが控除の適用条件から外れていないか」を確認することが重要なのです。
■注文建築など、「土地」に対するローンと「建物」に対するローンをそれぞれ別々に組んでいる場合の繰り上げ返済
しかし、土地を先行取得し、その後、建物を取得するケースなど、同じ金融機関から「土地取得のためのローン」と「建物建築のためのローン」の“2本”のローンを組んでいる場合、繰り上げ返済には注意が必要です。
住宅ローン控除の対象は、あくまで「建物に対する融資」を基本としますので、「建物ローン」だけを繰り上げ返済して完済し、「土地ローン」だけ残ったとしても、その後の住宅ローン控除は一切、受けられません。同じ2本のローンでも、前出のようなケースとは異なりますのでお気を付けください。
なお、金融機関によっては「建物ローン」を完済しても、建物に抵当権を残しておくことがあります。建物取得に対する融資残高が「ゼロ」であるにも関わらず、抵当権を外さないこと自体、問題がありますが、たとえ建物に抵当権が残っていても、「建物ローン」がない以上、住宅ローン控除は適用外となってしまいます。
以上より、当該ケースでは「土地ローン」を優先的に繰り上げ返済し、「建物ローン」を少しでも残しておけば、住宅ローン控除が完全に受けられなくなることが回避できます。
■確定申告の仕方(給与所得者の場合)
2本以上のローンを利用している場合の確定申告の仕方ですが、サラリーマン(給与所得者)では、初年度は各自が税務署へ申告をしに行かなければなりません。売買契約書や権利書・残高証明書などを揃えて、新居を管轄する税務署へ行きましょう。
2年目以降は勤務先の担当者へ必要書類を提出すると、会社が計算をして年末調整とともに給与口座へ還付金を振り込んでくれます。
税務署から送られてくる「平成○○年分給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」へ金融機関から郵送される「残高証明書」にある年末ローン残高を転記すれば完了します。この段階で、住宅ローン控除の適用条件に当てはまっているか確認してください。
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