■相続時清算課税制度の概要
高齢化の進展等を踏まえ、高齢者の保有する資産を次世代に円滑に移転させる観点から「相続時精算課税制度」が創設されました。本制度における贈与段階の課税については、相続時の精算を前提にした概算払いという性格を踏まえています。
簡単にいえば、「不動産以外も対象に、贈与額2500万円までは非課税にします」ということです。
また、住宅投資促進を図る観点から、住宅取得資金の贈与に限っては非課税枠を3500万円(1000万円上乗せ)にするとともに、贈与者の年齢要件を撤廃しました。ただし、非課税枠1000万円の上乗せは時限措置としています。
なお、住宅取得資金の贈与税額の特例(非課税枠550万円)については、平成17年12月31までの経過措置となります(現在はすでに廃止されています)。
■適用対象者
本制度の適用対象となる贈与者(贈与をする人)は65歳以上の親、受贈者は20歳以上の子である推定相続人(※)とします。祖父または祖母から孫へは適用されません。
※ 「推定相続人」とは現状のままで相続が開始されれば直ちに相続人となるはずの者のことです。
受贈者である兄弟姉妹が贈与者である「父」「母」ごとに、相続時精算課税制度にするか従前の非課税枠550万円を利用するかを選択することができます(平成17年12月31日まで)。また、選択後の変更はできません。
■適用手続き
本制度の適用を行おうとする受贈者(子)は、その選択に係る最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に所轄税務署長に対してその旨の届け出を贈与税の申告書に添付しなければなりません。
非課税範囲であっても「必ず確定申告をしなければならない」という意味です。
■適用対象財産
贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はなく、不動産以外の贈与でも問題ありません。平成15年1月1日以降に発生する相続または贈与から適用となります。
補足ですが、従前の住宅取得資金の贈与の特例(非課税枠550万円)は一生に一度しか利用できませんでした(ただし、すでに同制度は廃止されています)。
■税額の計算方法
<贈与税額の計算>
本制度の選択をした受贈者(子)は本制度に係る贈与者(親)からの贈与財産について贈与時に申告を行い、他の贈与財産と区分して、その贈与者からの贈与財産の価額の合計額をもとに計算した「贈与税」を支払うものとします。
その「贈与税」の額は、上記の贈与財産の価額の合計額から複数年にわたり利用できる2500万円(非課税枠)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出します。
贈与税額=(贈与財産の価格−非課税限度額)×20%
<贈与税の税率構造の改正>
相続時清算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率構造について最高税率を70%から50%へ引き下げるとともに、税率区分を拡大しました。適用は平成15年1月1日にさがのぼります。