この規定は、欠陥部分がどこであるか不明の場合を前提としていますが、欠陥部分は明らかだけれども、それが共用部分なのか専有部分なのかが不明である場合にも適用があると解されています。従って、管理組合としてはこの様な事態に備えて管理組合名義で賠償保険を付保しておくことが望まれます。
もっとも、欠陥部分や共用部分・専有部分の区分が不明であるといっても、しかるべき調査をしたことが前提となっています。管理組合としては水漏個所につき、特定の専有部分の設置または保存に欠陥がなかったことを調査しておくことが必要です。
調査方法としては、漏水があれば通常は少なくともその直上階のマンション住民に漏水の事実を確認したり、漏水個所の確認等の協力を求めることになります。この場合、管理組合や被害住民から協力を求められた階上の住民は、原則としてこれに協力する義務があります。
次に、漏水がマンションを分譲した売主やその部分の請負工事をした業者の過失によるものであれば、被害を受けた住民は直接これらの者に対しても不法行為を理由に責任を追及できます。また、欠陥部分が共用部分であれ専有部分であれ、被害者に賠償した所有者または区分所有者全員はこれらの分譲会社や工事業者に対し、賠償した額を求償することができます。
■管理会社の履行責任
最後に、管理会社の責任について考えてみます。
管理組合の業務といえば、規約に特定の定めのある場合を除き、一般にはマンションの共用部分の管理に関する業務を遂行することです。従って水漏れの個所が共用部分にあるときは、その点検・修理等の措置を取るべきことになります。排水管の共用部分に故障があるときは、管理組合で処置をしなければなりません。
そして管理組合との業務契約の中で、そういった点検・修理等の業務についても委託をしていれば管理会社は管理組合に対して契約内容に従った義務の履行責任が生ずるほか、適切な措置をとらなかったことにより損害が拡大すれば、不法行為として使用者責任が生ずる余地もあります。
これに対し、漏水個所が専有部分にある場合は管理会社の契約上の責任は生じません。管理組合にしても、まずは専有部分の所有者に故障個所の手当をしてもらうのが先決だということになります。
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